はじめに
ハクビシンとアナグマは似ているけれど違う動物
「庭先で見かけたあの動物、ハクビシン?それともアナグマ?」——そんな疑問を持つ方は意外と多いのではないでしょうか。
ハクビシンとアナグマはどちらも日本に生息している動物で、夜に行動することが多いため、暗い場所では特に見分けがつきにくいと言われています。
しかし、実はこの二つの動物は異なる特徴を持っており、よく観察すると簡単に見分けることができます。
見分けるポイントを知れば、判断が簡単に
どちらも茶色っぽい毛並みをしているため、一見するとそっくりですが、顔の模様や体の大きさ、しっぽの長さなどに明確な違いがあります。
また、それぞれの行動パターンや生息地の違いを知っておくと、より正確に見分けられるようになります。
この記事では、ハクビシンとアナグマの特徴を比較しながら、見分け方をわかりやすく解説していきます。
さらに、「どんな場所で見かけることが多いのか」や、「見つけたときの対処法」についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
記事のポイント
● ハクビシンアナグマの見た目や行動の違い。
● それぞれの食性と生息環境の特徴。
● 家に住みついた場合の対策方法。
● 見かけたときの正しい対応と注意点。
ハクビシンアナグマの基本情報と生息地

アナグマ
ハクビシンとアナグマは、どちらも日本で見かける野生動物ですが、その生態や特徴は大きく異なります。
外見が似ているため、目撃したときにどちらなのか迷うこともあるかもしれません。それぞれの特徴や生息地を理解することで、違いをしっかり見分けられるようになります。
ここでは、ハクビシンとアナグマの体の特徴や生息環境について詳しく解説していきます。
ハクビシンの特徴と生態
ハクビシンは、日本では比較的新しく定着した動物で、もともとは外来種と考えられています。現在では全国各地で生息が確認されており、都市部や農村でも目撃されることが増えています。
体の大きさ、毛色、顔の模様
ハクビシンの体長は約90cm~110cmで、そのうち半分ほどは長いしっぽが占めています。
体はスリムで、毛色は灰褐色から茶褐色です。顔の特徴として、額から鼻先まで白い線が入っていることが挙げられます。この白い線は、遠くからでも見分けるポイントになります。
夜行性で木登りが得意
ハクビシンは夜行性で、日中は木の上や屋根裏、廃屋などに隠れています。
非常に木登りが得意で、家屋の屋根や電線の上を移動する姿が見られることもあります。天井裏に住みついてしまうこともあり、人間の生活圏にも適応している動物です。
果実や昆虫を好む食性
ハクビシンは雑食性ですが、特に果物を好みます。
柿やビワ、ブドウなどの果実を食べることが多く、農作物への被害も報告されています。また、昆虫や小動物も食べることがあり、都市部ではゴミを漁る姿も見られます。
アナグマの特徴と生態
アナグマは、日本に古くから生息する在来種であり、タヌキやキツネと同じく馴染みのある動物です。見た目がずんぐりとしており、ハクビシンとは異なる特徴を持っています。
体の大きさ、毛色、顔の縞模様
アナグマの体長は約50cm~70cmと、ハクビシンよりも一回り小柄です。
体型はずんぐりとした丸みのある形で、しっぽは短めです。毛色は明るい褐色から灰褐色で、顔には黒と白の縞模様が入っています。この縞模様が、ハクビシンとの大きな違いのひとつです。
地面を掘る習性があり、穴を作って生活
アナグマは地面に巣穴を掘り、その中で生活します。強い前足の爪を使って穴を掘るのが得意で、タヌキやキツネの巣穴を再利用することもあります。
基本的には単独で生活しますが、家族単位で巣穴を共有することもあるようです。冬は活動が鈍くなり、冬眠することもあります。
雑食性で、ミミズや果物を食べる
アナグマの食性は雑食で、ミミズや昆虫、小動物を食べるほか、果実や穀物も食べます。
特にミミズを好んで食べるため、土を掘り返した跡が見つかることもあります。ハクビシンほど農作物を荒らすことは少ないですが、果樹園などでは被害が出ることもあります。
ポイント
ハクビシンとアナグマは見た目が似ていますが、生態には大きな違いがあります。
ハクビシンは木登りが得意で果実を好み、都市部にも生息しています。一方、アナグマは地面を掘る習性があり、ミミズや昆虫を主に食べる動物です。
これらの違いを知っておくと、もしどちらかを見かけたときに正しく判断できるでしょう。
ハクビシンとアナグマの違いを画像で比較!見分け方のポイント
ハクビシンとアナグマは、一見すると似たような動物に見えますが、実際には多くの違いがあります。
顔の模様や体型、足跡、フンの特徴など、細かいポイントを知ることで、正しく見分けることができます。ここでは、それぞれの違いを詳しく解説し、見分けるためのポイントを紹介します。
顔の模様と形の違い
ハクビシンとアナグマは、顔の模様が大きく異なります。これが、両者を見分ける一番のポイントになります。
ハクビシンの顔の特徴
ハクビシンの顔には、額から鼻先にかけて白い一本線が入っています。
この線はとても目立ち、遠くから見ても識別しやすい特徴のひとつです。また、鼻はピンク色をしていることが多く、全体的にシャープな印象の顔立ちをしています。
アナグマの顔の特徴
アナグマの顔は、目の周りに黒い縞模様があるのが特徴です。
この模様は縦に長く、まるでアイマスクをしているようにも見えます。鼻は黒くて大きく、顔全体が丸みを帯びており、ハクビシンよりもずんぐりとした印象を受けます。
体型・足の長さ・しっぽの違い
体全体のシルエットやしっぽの長さにも、大きな違いがあります。
ハクビシンの体型と特徴
ハクビシンはスリムな体型で、しっぽが長いのが特徴です。
体長は約90~110cmほどあり、その半分以上がしっぽの長さになります。動きが俊敏で、木登りが得意なため、すらっとした体つきをしています。
アナグマの体型と特徴
アナグマはずんぐりとした体型で、短くて太い足を持っています。
体長は50~70cmほどで、しっぽは短めです。体全体が丸みを帯びており、地面を掘るのに適した頑丈な体をしています。足が短いため、歩き方もハクビシンと比べるとゆっくりしています。
足跡の見分け方
ハクビシンとアナグマの足跡には共通点もありますが、細かく見ると違いがあります。
ハクビシンの足跡
ハクビシンの足跡は、5本指がはっきりと見える形をしており、爪の跡も残ります。指が比較的短く、全体的にコンパクトな形です。
アナグマの足跡
アナグマも5本指ですが、爪が長いため、指の先と爪痕の間に隙間ができることが特徴です。足跡自体もやや幅広で、しっかりと地面に食い込むような形になっています。
フンの違いと特徴
フンの特徴を知ることで、どちらの動物が近くにいたのかを判断する手がかりになります。
ハクビシンのフンの特徴
ハクビシンのフンには、果実の種が多く含まれていることが特徴です。
これは、ハクビシンが果物を好んで食べるためです。比較的まとまった形で残されることが多く、あまり臭いが強くありません。
アナグマのフンの特徴
アナグマのフンは、土や泥が混ざっていることが多いです。
これは、地面を掘ってミミズや昆虫を食べることが多いためです。また、ハクビシンと違い、一定の場所にフンをする習性があるため、同じ場所に何度もフンが見つかることがあります。
ポイント
ハクビシンとアナグマは、顔の模様や体型、足跡、フンの特徴など、さまざまな点で違いがあります。
もしどちらかを見かけた場合は、これらのポイントをチェックすることで、簡単に見分けることができます。特に、顔の模様と体型の違いを覚えておくと、遠目でも判別しやすくなるでしょう。
ハクビシンとアナグマはタヌキや他の動物とも間違えられる?
ハクビシンとアナグマは、それぞれ特徴的な見た目をしていますが、よくタヌキやアライグマ、イタチ、テンなどと混同されることがあります。
特に夜に姿を見かけたり、遠目で確認したりすると、どの動物なのか判断しにくいこともあります。ここでは、ハクビシンやアナグマと間違えやすい動物との違いについて解説します。
ハクビシンに似た動物(タヌキ・アライグマ・イタチ・テン)
タヌキとの違い
タヌキは、日本では非常に身近な動物で、ハクビシンと間違えられることが多いです。
大きさはハクビシンと同じくらいですが、体型は丸みを帯びており、しっぽも太く短めです。顔には黒い模様があり、目の周りが黒くなっています。
一方、ハクビシンは額から鼻にかけて白い線があり、全体的に細長い体型をしているのが特徴です。また、タヌキは基本的に地上を移動するのに対し、ハクビシンは木登りが得意で高い場所にも現れます。
アライグマとの違い
アライグマは外来種で、ハクビシンと同じように夜行性です。大きさはほぼ同じですが、最も分かりやすい違いはしっぽにあります。
アライグマのしっぽには黒と白のはっきりとした縞模様があり、これはハクビシンには見られません。また、アライグマの顔には黒いマスクのような模様があり、ハクビシンの白いラインとは大きく異なります。
イタチやテンとの違い
イタチやテンはハクビシンよりも小型で、細長い体型をしています。
特にテンは、冬になると毛の色が変わるため、見分けにくいことがあります。テンの顔にはハクビシンのような白いラインはなく、全体的に茶色や黄色っぽい毛色をしています。
イタチも同様に小型で、俊敏な動きをするのが特徴です。
アナグマと間違えやすい動物
タヌキとの違い
アナグマとタヌキは、どちらもずんぐりした体型をしており、夜間に見かけることが多いため間違われやすいです。
しかし、アナグマは顔に黒と白の縞模様があり、鼻が大きく目立ちます。一方、タヌキの顔は黒いマスクのような模様になっています。
また、アナグマは地面を掘って巣を作る習性があり、タヌキは他の動物の巣穴を再利用することが多いです。
イタチやテンとの違い
アナグマはイタチやテンと同じイタチ科に分類されますが、見た目はかなり異なります。
イタチやテンは細長く俊敏で、小動物を捕まえて食べることが多いのに対し、アナグマはがっしりとした体型で、主に地面を掘ってミミズや昆虫を探して食べます。
テンやイタチは木登りが得意ですが、アナグマは木登りはあまり得意ではなく、地面での生活が中心になります。
ポイント
ハクビシンとアナグマは、それぞれタヌキやアライグマ、イタチ、テンなどと間違えられることがありますが、顔の模様や体型、行動パターンなどに注目すれば見分けることができます。
もし見かけたときは、顔の特徴や移動の仕方、生活環境をよく観察して判断してみてください。
ハクビシンやアナグマを見つけたらどうすべき?
ハクビシンやアナグマを見かける機会は意外と多いですが、どのように対応すればよいのか迷うこともあるでしょう。
野生動物は可愛らしく見えることもありますが、思わぬ被害を引き起こすこともあります。ここでは、見かけたときの適切な対応や、家に住みついた場合の対策、駆除の注意点について解説します。
近くで見かけたときの対処法
ハクビシンやアナグマを外で見かけた場合は、むやみに近づかないことが大切です。
どちらの動物も警戒心が強く、人に危害を加えることは少ないですが、追い詰められたり驚いたりすると噛みつくことがあります。
特に、ハクビシンは木の上から突然現れることがあり、驚いて騒ぐと興奮してしまう可能性もあります。
また、エサを与えたり、無理に追い払おうとするのも避けましょう。
野生動物は本能的にエサがある場所に戻ってくるため、一度人間の食べ物に慣れてしまうと居ついてしまうことがあります。
見かけた場合は、遠くから静かに様子を観察し、無理に関わらないようにしましょう。
人懐っこいアナグマでも注意が必要
アナグマは比較的人懐っこい性格をしていることがあります。
特に、人が頻繁に通る場所に住みついたアナグマは、あまり警戒せずに姿を見せることもあります。しかし、人に慣れているからといって、触ったり近づいたりするのは危険です。
アナグマは鋭い爪を持ち、威嚇されたと感じると攻撃することがあります。
また、ハクビシンやアナグマは、病原菌を媒介することもあります。
直接触れたり、フンを片付ける際に素手で触ると感染症のリスクがあるため、もし掃除をする場合は手袋を着用し、しっかりと消毒を行うことが大切です。
家に住みついた場合の対策
ハクビシンは屋根裏や天井裏に住みつくことがあり、アナグマは床下や倉庫の隅などに巣を作ることがあります。
もし家の中から物音が聞こえたり、フンの跡が見つかった場合は、すぐに対策を講じることが重要です。
まず、住みついた場所の出入口を特定し、塞ぐ準備をします。
ただし、中に動物がいる状態でいきなり封鎖すると、閉じ込められて暴れたり、天井を破壊して脱出しようとすることがあります。
そのため、まずは追い出しの作業が必要です。追い出す方法としては、
- 強い光を当てる
- ラジオなどの音を流しておく
- ハッカ油などの刺激のある匂いを使う
といった方法が有効です。ある程度の時間をかけて、動物が自然に出て行ったのを確認した後に、侵入経路をしっかりと塞ぎましょう。
駆除する際の注意点
ハクビシンやアナグマの被害が深刻な場合、自分で駆除を考える人もいるかもしれません。
しかし、日本ではハクビシンもアナグマも「鳥獣保護管理法」によって守られており、許可なしに捕獲することは法律違反になります。
駆除を行う場合は、自治体の環境課や害獣駆除の専門業者に相談し、適切な手続きを踏んで対処することが必要です。
特に、ハクビシンは繁殖力が強いため、単に1匹を追い出しても、すぐに別の個体が住みつく可能性があります。そのため、根本的な対策として侵入防止策を徹底することが重要です。
ポイント
ハクビシンやアナグマを見かけた場合は、むやみに近づかず、騒がずに静かに距離を取ることが大切です。
もし家に住みついてしまった場合は、適切な方法で追い出し、その後しっかりと侵入経路を封鎖しましょう。
また、駆除が必要な場合は、法律を守りながら専門家に相談することが安心です。自然との共存を意識しながら、適切な対応を心がけましょう。
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ハクビシンとアナグマの食べ物の違い
ハクビシンとアナグマは、どちらも雑食性ですが、食べるものには違いがあります。
それぞれの食性は、生息環境や行動パターンにも影響を与えています。
ここでは、ハクビシンとアナグマがどのような食べ物を好むのか、またその違いがどのように生活に関係しているのかを解説します。
ハクビシンは主に果物・小動物・昆虫を食べる
ハクビシンは果実を好んで食べることで知られています。
特に、柿、ブドウ、ビワ、イチジクなどの甘い果物が大好きで、農作物に被害を与えることもあります。また、果物以外にも昆虫や小動物を捕食することがあり、時には鳥の卵やヒナを食べることもあります。
都市部でもハクビシンは生息しており、人の生活圏に入り込んで食べ物を探します。
ゴミ捨て場を漁る姿が目撃されることもあり、果物の皮や残飯を食べることもあります。そのため、人間の活動エリアに適応しやすく、農村だけでなく都市部でも見られることが多い動物です。
アナグマはミミズ・昆虫・果実・穀物を食べる
アナグマは雑食性ですが、特にミミズを好んで食べることで知られています。
地面を掘るのが得意で、土の中にいるミミズや昆虫を探して食べます。そのため、森林や草地など、掘るのに適した環境を好みます。
また、果実や穀物も食べることがありますが、ハクビシンほど果物に依存しているわけではありません。秋になるとドングリやクリなどの木の実を食べることもあります。
農作物を食べることもありますが、ハクビシンほど頻繁に農家の果樹園を荒らすことは少ないです。
食性の違いが生息環境に影響
ハクビシンは木登りが得意で、樹上の果物を狙うことが多いため、森林や果樹園、都市部の公園などにも適応しています。
一方、アナグマは地面を掘ってエサを探すため、畑や草地、山林などの土のある場所を好みます。
この食性の違いは、彼らの行動や人との関わり方にも影響しています。
例えば、ハクビシンは屋根裏や高い木の上に住み着くことがあり、人の生活圏にも入り込みやすいです。一方、アナグマは地面に穴を掘って暮らすため、人目につくことは比較的少なくなります。
こうした食性の違いを理解することで、どの動物がどの地域に住みやすいのか、またどんな対策が必要なのかを考える手助けになります。
もし家の周りでどちらかの動物を見かけた場合は、彼らの食べ物の特徴を思い出して、どちらなのかを見分ける手がかりにしてみてください。
まとめ:ハクビシンアナグマの違いと見分け方
ハクビシンとアナグマは見た目が似ているため、間違えやすい動物ですが、それぞれに特徴的な違いがあります。顔の模様、体型、行動パターンなどを知っておけば、見分けることができます。
主要な違いを簡潔にまとめる
-
顔の模様
- ハクビシンは額から鼻にかけて白い線がある
- アナグマは目の周りに黒い縦長の模様がある
-
体型としっぽの長さ
- ハクビシンはスリムで長いしっぽを持つ
- アナグマはずんぐりした体型で短いしっぽ
-
行動の違い
- ハクビシンは木登りが得意で夜行性
- アナグマは地面を掘って生活し、冬眠することがある
-
食べ物の違い
- ハクビシンは果物や小動物を好む
- アナグマはミミズや昆虫、果実、穀物を食べる
もし見かけたら早めに対処しましょう
ハクビシンやアナグマは野生動物なので、むやみに近づいたりエサを与えたりするのは避けましょう。
特に家の屋根裏や床下に住みついた場合は、フンによる衛生問題や騒音被害が発生する可能性があります。早めに対策をとり、必要に応じて専門の駆除業者や自治体に相談するのが安全です。
もしどちらの動物か分からない場合は、この記事で紹介した特徴を参考にして、正しく見分けるようにしましょう。
最後に.
こんにちは、福岡県の害獣害虫駆除業者で株式会社あい営繕 代表の岩永と申します。 私はしろあり防除施工士・蟻害・腐朽検査士の資格があり、害獣駆除業界でかれこれ40年位います。弊社は公益社団法人日本しろあり対策協会、公益社団法人日本ペストコントロール協会に籍を置き業界の技術力向上やコンプライアンスの徹底にこだわり仕事しています。もし害獣害虫駆除でお困りのことがありしたら、些細なことでも構いません。お電話頂ければ誠心誠意お答えいたします。この記事があなた様のお役に立ちましたら幸いです。
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最後までお読みいただきましてありがとうございました。