家の中や庭で「羽の生えたアリ」を見つけたことはありませんか?
突然、壁や床、窓際に集まっているのを見ると、「もしかしてシロアリ?」と不安に感じる人も多いでしょう。羽アリは、シロアリの可能性もあれば、クロアリの仲間である場合もあります。
どちらの羽アリなのかを見極めることが重要です。というのも、シロアリの羽アリだった場合、建物に被害を与える恐れがあるからです。
一方で、クロアリの羽アリは基本的に建物を食害しないため、駆除の必要がないことがほとんどです。
この記事では、羽アリの種類や発生時期、どのように対処すればいいのかを詳しく解説します。自宅で羽アリを見つけたときに焦らず適切な対応ができるよう、ぜひ参考にしてください。
記事のポイント
● 羽アリにはシロアリとクロアリの2種類がいること。
● シロアリの羽アリは建物に被害を与えるため、早急な対策が必要であること。
● クロアリの羽アリは害が少なく、主に巣作りのために発生すること。
● シロアリの疑いがある場合は、無料診断を受けて専門業者に相談するべきであること。
羽が生えたアリの正体とは?シロアリとクロアリの違い
羽の生えたアリを見かけると、「シロアリなのか?」「クロアリなのか?」と気になる人が多いでしょう。
羽アリは特定の時期に、新しい巣を作るために発生しますが、シロアリとクロアリでは性質が大きく異なります。ここでは、それぞれの特徴や違いを詳しく解説します。
羽アリはなぜ発生するのか?
羽アリは、もともとシロアリやクロアリの群れの中にいる個体の一部が、繁殖のために巣を飛び出した姿です。
彼らは「結婚飛行」と呼ばれる行動を取り、オスとメスがペアになって新しい巣を作ります。
シロアリもクロアリも羽アリを発生させますが、シロアリの羽アリは建物に被害を与える危険性があるため、見つけたら注意が必要です。
一方で、クロアリの羽アリは基本的に木材を食べないため、家に被害を与えることはほとんどありません。
シロアリとクロアリの羽アリの見分け方
羽アリを見つけたら、まずはシロアリかクロアリかを見分けることが大切です。見分けるポイントを以下の表にまとめました。
比較項目 | シロアリの羽アリ | クロアリの羽アリ |
---|---|---|
胴体の形 | くびれがなく寸胴 | くびれがあり、頭・胸・腹が明確に分かれる |
羽の形 | 4枚ともほぼ同じ大きさ | 前の羽が大きく、後ろの羽は小さい |
触角の形 | 数珠状でまっすぐ | くの字に曲がっている |
発生時期 | 4〜7月(地域による) | 6〜11月(種類による) |
建物への影響 | 木材を食べ、家に被害を与える | 建物の木材を食べることはない |
このように、シロアリとクロアリの羽アリには明確な違いがあります。
シロアリの羽アリを見つけたら要注意!
シロアリの羽アリを家の中で見つけた場合、すでに建物の内部で被害が進行している可能性があります。特に、以下のような状況が見られる場合は、専門業者による点検をおすすめします。
- 室内で大量の羽アリを発見した
- 羽が床に散乱している(シロアリの羽は取れやすい)
- 家の木材に穴が空いている、もろくなっている
もしシロアリの可能性がある場合は、早めに無料診断を依頼し、適切な対策を講じましょう。
シロアリ被害は放置すると進行し、建物の耐久性を大きく損なう恐れがあります。専門の業者に相談し、早めの対策を心がけてください。
羽アリの種類別発生時期一覧【表で解説】
羽アリは、発生する時期によって種類を見分けることができます。
「羽アリを見かけたけれど、これはシロアリなのか?クロアリなのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。
シロアリの羽アリだった場合、建物の木材を食害し、深刻な被害を引き起こすことがあります。一方で、クロアリの羽アリは基本的に害がなく、心配する必要はありません。
羽アリの種類を正しく見極めることで、適切な対応を取ることができます。以下の表を参考に、自宅で発生した羽アリがどの種類なのかチェックしてみてください。
羽アリの発生時期と特徴
種類 | 発生時期 | 特徴 | 危険性 |
---|---|---|---|
ヤマトシロアリ | 4月〜5月 | 小型で黒褐色、胴にくびれなし | 建物に被害あり |
イエシロアリ | 6月〜7月 | 大型で茶褐色、夜に群飛 | 建物に被害あり |
クロアリ(黒アリ)の羽アリ | 6月〜11月 | くびれあり、前翅が長い | ほぼ無害 |
アメリカカンザイシロアリ | 6月〜7月(不定期) | 赤褐色で大型 | 局所的に被害あり |
それでは、それぞれの羽アリの特徴について詳しく見ていきましょう。
シロアリの羽アリは特に注意!
シロアリの羽アリは、木材を食べる習性があるため、家の床下や柱が被害を受ける可能性があります。発生する時期を把握し、早めに対策を取ることが重要です。
-
ヤマトシロアリ(4月~5月発生)
- 日本全国に広く分布するシロアリの代表格です。
- 日中、特に午前中に大量の羽アリが群れをなして飛ぶことが特徴です。
- 胴体にくびれがなく、黒褐色の小さな羽アリです。
-
イエシロアリ(6月~7月発生)
- 西日本を中心に分布し、関東の沿岸部でも発生します。
- 夜に群れで飛び、街灯などの光に集まる習性があります。
- ヤマトシロアリよりも大きく、茶褐色の体色が特徴です。
もし、自宅や庭でシロアリの羽アリを発見した場合は、早めに専門業者へ相談し、無料診断を受けることをおすすめします。
クロアリの羽アリは基本的に無害
クロアリの羽アリは、6月から11月にかけて発生し、新しい巣を作るために飛び立ちます。
- 胴体にくびれがあり、シロアリとは異なる形をしている
- 羽の大きさが前後で違い、前翅が後翅よりも大きい
- 木材を食べることはなく、家に被害を与えない
クロアリの羽アリは、害を与えることはほぼありませんが、発生すると不快に感じるかもしれません。窓や玄関の隙間をふさぐことで、室内への侵入を防ぐことができます。
アメリカカンザイシロアリは要注意!
アメリカカンザイシロアリは外来種で、日本国内ではまだ局所的にしか被害が報告されていません。
しかし、従来のシロアリとは異なり、水分の少ない乾燥した木材でも生息できるため、発見が遅れると被害が進行してしまう可能性があります。
- 6月~7月に不定期で羽アリが発生
- 赤褐色で比較的大型
- 被害が局所的であるため、発生地域が限られている
この種類のシロアリを見かけた場合は、早めに専門家へ相談しましょう。
羽アリの種類と発生時期を把握して正しく対策を
羽アリの発生時期を知ることで、シロアリかクロアリかを見分けることができます。特に、シロアリの羽アリは放置すると建物に深刻な被害をもたらすため、早急な対応が必要です。
もし「シロアリの可能性があるかも?」と感じたら、無料診断を受けることをおすすめします。早めの点検が、大切な家を守る第一歩です。
シロアリの羽アリを見つけたら、専門業者に相談し、適切な駆除を検討しましょう。
羽アリを見つけたらどうする?緊急対処法
家の中で突然、大量の羽アリを見つけたら驚いてしまいますよね。特に、壁や床、窓際に群がる姿を見たら、「シロアリではないか?」と不安になるかもしれません。
羽アリを発見したときは、焦らずに適切な対処をすることが大切です。間違った対応をしてしまうと、被害が広がる可能性もあるため、正しい方法で処理しましょう。
室内で大量発生した場合の対応策
羽アリが室内で発生した場合、まずは冷静に状況を確認しましょう。以下の方法で、できるだけ素早く対応するのがポイントです。
掃除機で吸い取る
羽アリを見つけたら、掃除機で吸い取るのが最も手軽で効果的な方法です。掃除機の強い吸引力で羽アリをすぐに捕まえることができ、飛び回るのを防げます。
ただし、吸い取った後は、すぐにゴミ袋を密閉して屋外へ捨てるようにしましょう。袋の口をしっかり結んでおかないと、羽アリが袋の中で生き延びてしまう可能性があります。
粘着テープで捕まえる
掃除機が手元にない場合は、粘着テープ(ガムテープやコロコロ)を使って捕まえるのも有効です。羽アリは壁や床に留まることが多いため、そっと粘着テープで押さえつけて捕獲できます。
特に、少数の羽アリが散発的に発生している場合は、粘着テープを活用すると手間がかからず便利です。
やってはいけないこと
羽アリを見つけたとき、思わず殺虫スプレーを使いたくなるかもしれません。しかし、これは逆効果になる可能性があるため、絶対に避けるべきです。
殺虫スプレーはNG
市販の殺虫スプレーの多くには、虫が嫌がる成分が含まれています。
羽アリにスプレーを吹きかけると、一時的に駆除できたように見えますが、実際には生き残ったシロアリやクロアリが別の場所へ逃げて分散してしまう危険があります。
特にシロアリの羽アリだった場合、スプレーで対処しても根本的な解決にはなりません。
羽アリが発生しているということは、すでに家の木材に被害が広がっている可能性もあるため、早めに専門業者に相談しましょう。
シロアリの疑いがある場合は早めに専門業者へ相談
もし「この羽アリ、もしかしてシロアリかも?」と思ったら、できるだけ早く専門業者に調査を依頼することをおすすめします。
特に以下のような状況が当てはまる場合は、シロアリの被害が進行している可能性が高いです。
- 室内で大量の羽アリを発見した(シロアリは一斉に羽アリを飛ばす習性がある)
- 床や柱に穴が空いていたり、木材がもろくなっている
- 羽アリの羽が大量に散乱している(シロアリの羽は取れやすい)
シロアリは放置すると建物の構造を弱め、修繕費用が大きくかかることもあります。少しでも不安を感じたら、無料診断を受けるのがベストな選択です。
「もしかしてシロアリ?」と思ったら、早めに専門業者に相談して、適切な駆除方法を検討しましょう。
羽アリの発生を防ぐための予防策
羽アリは発生してから対処するのではなく、事前に予防することが最も効果的です。
特に、クロアリの羽アリとシロアリの羽アリでは、発生する原因が異なるため、それぞれの特性に合わせた対策が必要です。ここでは、羽アリの発生を防ぐための具体的な方法を紹介します。
クロアリの羽アリ対策
クロアリの羽アリは基本的に新しい巣を作るために発生します。
建物自体を食害することはありませんが、家の中に侵入すると食品を荒らしたり、不快感を与えたりするため、発生を防ぐことが大切です。
家の隙間を塞ぐ(窓枠・玄関ドア・換気口)
クロアリの羽アリは、わずかな隙間から屋内に侵入することがあります。特に以下のような場所は、侵入経路になりやすいため、隙間をしっかり塞ぐことが重要です。
- 窓枠やサッシの隙間 → 防虫テープやパテで隙間を埋める
- 玄関ドアの下の隙間 → 隙間テープを貼って侵入を防ぐ
- 換気口やエアコンのダクト周り → メッシュ状のカバーを取り付ける
これらの隙間対策を行うことで、クロアリの羽アリが室内に入り込むのを防ぐことができます。
食べ物を放置しない(特に甘いもの)
クロアリは、食べ物のニオイに引き寄せられるため、以下のポイントを意識すると羽アリの発生を防げます。
- 食べ物を放置しない(特に砂糖・ジュース・お菓子など)
- ゴミ箱のフタをしっかり閉める
- 食べこぼしや液体のこぼれをすぐに掃除する
クロアリの羽アリを発生させないためには、家の中にエサになるものを置かないことが基本です。
シロアリの羽アリ対策
シロアリの羽アリは、すでに家の中や床下でシロアリ被害が進行しているサインの可能性があります。そのため、発生を防ぐためには、事前の予防策が重要です。
5年以上シロアリ対策をしていないなら予防工事を検討
シロアリ対策には、専用の防蟻処理(シロアリ予防工事)を行うことが効果的です。
シロアリ予防の薬剤は、通常5年間の効果が持続しますが、それ以降は徐々に効果が薄れるため、定期的な処理が推奨されます。
以下の条件に当てはまる場合は、予防工事を検討するタイミングです。
- 5年以上、シロアリ対策を行っていない
- 近隣でシロアリ被害の報告があった
- 築10年以上の木造住宅に住んでいる
シロアリ対策を怠ると、建物の構造部分に被害が広がり、修繕費用が高額になるリスクがあります。被害が出る前に、専門業者に相談し、予防工事を行うことをおすすめします。
床下の点検を定期的に実施
シロアリは、床下や基礎部分から侵入することが多いため、定期的に床下の状態を確認することが大切です。
- 床下の木材に湿気が多い → シロアリが好む環境
- 基礎部分にひび割れがある → そこからシロアリが侵入する可能性
- 家の周囲に木材や廃材が置かれている → シロアリのエサになりやすい
シロアリの被害は、目に見えない場所で進行することが多いため、定期的な床下点検が必要です。シロアリの疑いがある場合は、専門業者に無料診断を依頼すると安心です。
羽アリを発生させない環境作りが大切
羽アリの発生を防ぐには、クロアリとシロアリ、それぞれの特性に合わせた対策が必要です。
対策方法 | クロアリの羽アリ | シロアリの羽アリ |
---|---|---|
隙間対策 | ○ | △(侵入経路が異なる) |
食べ物の管理 | ○ | ×(木材を食べるため) |
防蟻処理(予防工事) | × | ○ |
床下の点検 | × | ○ |
クロアリの羽アリは、家の隙間を塞ぎ、食べ物を管理することで発生を防ぐことができます。一方、シロアリの羽アリは、予防工事や床下の点検を行うことで、根本的な発生リスクを減らせます。
もしシロアリの羽アリの発生が疑われる場合は、放置せずに早めに無料診断を受けることをおすすめします。
シロアリの被害は早期発見・早期対策が肝心です。家を守るために、定期的なチェックを心がけましょう。
まとめ:羽アリの種類と発生時期を知って正しく対応しよう
羽アリを見つけたときに大切なのは、それがシロアリの羽アリなのか、クロアリの羽アリなのかを見極めることです。両者の違いを正しく理解することで、適切な対応ができます。
シロアリの羽アリは、建物の木材を食害する可能性があるため、早急な対策が必要です。
特に4月から7月の間に大量発生する場合は、すでに家の中で被害が進行している可能性が高いです。見つけたら放置せずに、早めに専門業者に相談し、無料診断を受けることをおすすめします。
一方で、クロアリの羽アリは基本的に害がなく、新しい巣を作るために発生するだけです。家の隙間を塞いだり、食べ物を放置しないように気をつけることで、屋内への侵入を防ぐことができます。
もし「シロアリかクロアリかわからない」「羽アリを大量に見つけて不安」という場合は、無料診断を活用して専門家に見てもらうのが確実です。
シロアリの被害は放置すると修繕費用が高額になる可能性があるため、早めの点検を心がけましょう。
最後に.
こんにちは、福岡県の害獣害虫駆除業者で株式会社あい営繕 代表の岩永と申します。 私はしろあり防除施工士・蟻害・腐朽検査士の資格があり、害獣駆除業界でかれこれ40年位います。弊社は公益社団法人日本しろあり対策協会、公益社団法人日本ペストコントロール協会に籍を置き業界の技術力向上やコンプライアンスの徹底にこだわり仕事しています。もし害獣害虫駆除でお困りのことがありしたら、些細なことでも構いません。お電話頂ければ誠心誠意お答えいたします。この記事があなた様のお役に立ちましたら幸いです。
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