イタチのこどもを見つけたとき、どう対応すればよいか迷う人は多いでしょう。
小さくて可愛らしい見た目ですが、成長すると行動範囲が広がり、家の屋根裏や床下に住み着いてしまうことがあります。
特に繁殖期には、親イタチがこどもを守るためにより攻撃的になることもあり、慎重な対応が求められます。
本記事では、イタチのこどもの特徴や生態、見分け方、そして家に住み着かないようにするための対策方法について詳しく解説します。
駆除を考える際に注意すべき点や、専門業者に依頼するメリットについても紹介するので、正しい対処方法を知りたい方はぜひ参考にしてください。
記事のポイント
● イタチのこどもの特徴や鳴き声について理解できる。
● イタチのこどもと他の害獣の見分け方がわかる。
● イタチのこどもが家に住み着くリスクと対策を学べる。
● 駆除の際に専門業者へ相談すべき理由が理解できる。
イタチのこどもの見た目
体長や毛の色の違い
イタチのこどもの見た目は、成長するにつれて大きく変わります。生まれたばかりのイタチの赤ちゃんは体長10~15cmほどで、まだ目が開いていません。
毛は薄く、ピンク色の肌が透けて見えます。生後1か月ほど経つと毛が生えそろい、徐々に親イタチに近い姿になります。
日本にはニホンイタチとチョウセンイタチの2種類がいます。
ニホンイタチのオスは30~37cm、メスは20~27cmほどに成長し、毛色は茶色がかった暗褐色です。
一方、チョウセンイタチのオスは28~39cm、メスは25~31cmほどで、毛色は黄色っぽい明るい褐色をしています。
他の動物との違い
イタチのこどもは、テンやハクビシンと間違われることがあります。
テンはイタチよりも体が大きく、毛の色が黄色みがかっています。ハクビシンは顔に白い線があり、丸みを帯びた体型が特徴です。
イタチのこどもを見分けるには、体の細さや尾の長さに注目するとよいでしょう。
イタチのこどもの鳴き声
イタチのこどもは、親を呼ぶために独特の鳴き声を発します。
特にお腹が空いたときや危険を感じたときに、「ピキュピキュ」「キキキキ」といった甲高い声で鳴きます。
この鳴き声は、ほかの害獣であるアライグマやハクビシンとも似ているため、しっかり聞き分けることが大切です。
アライグマのこどもは「クルクル」と鳥のような鳴き声を出し、ハクビシンのこどもは「ピィーィィ」と少し長めの音を発します。
イタチのこどもの鳴き声は短く鋭いのが特徴です。もし屋根裏や軒下から甲高い鳴き声が聞こえたら、イタチが住み着いている可能性があります。
イタチのこどもの行動パターン
成長スピードと独り立ち
イタチのこどもは、春(4月~6月頃)に生まれ、わずか3か月ほどで成獣になります。
生後40日ほどで母乳を卒業し、エサを食べるようになります。生後70~80日もすると、ほぼ親と同じ大きさに成長し、秋には独り立ちして自分の縄張りを持つようになります。
この成長の速さは、イタチが繁殖力の高い動物である理由の一つです。もし家の近くでイタチのこどもを見かけた場合、数か月後には大人のイタチが増えている可能性があります。
昼間も活動することがある
イタチは本来夜行性ですが、こどもは昼間でも活発に動くことがあります。
特に授乳期は、母親がエサを探しに出かけている間、こども同士でじゃれあったり、鳴き声をあげたりすることが多いです。
もし日中に屋根裏から音がする場合は、イタチのこどもがいるかもしれません。
親イタチとの違い
成獣のイタチは警戒心が強く、物音を立てるとすぐに隠れます。
しかし、こどもは好奇心が旺盛で、人の気配がしてもすぐに逃げることはありません。そのため、屋根裏や庭先で姿を見かけることもあります。
こどもがいる場合、その近くには必ず親イタチもいるので、無理に追い払おうとせず、適切な対策を考えましょう。
イタチのこどもは可愛らしい見た目をしていますが、放置すると家に住み着いてしまい、大きな被害をもたらすことがあります。
鳴き声や行動パターンをしっかり観察し、早めに対策をとることが大切です。
イタチのこどもの生態と繁殖
イタチは繁殖力が強く、毎年多くの子どもを産みます。
こどもが生まれると、母親はしばらくの間、巣の中で子育てをしますが、その間に家の天井裏や床下に住み着くこともあります。
ここでは、イタチの繁殖期や子育ての方法、住処として選ばれる場所、そして害獣としての問題点について解説します。
イタチの繁殖期と子育て
イタチの繁殖期は毎年春(3月~5月)に訪れます。
この時期になるとオスとメスが出会い、交尾を行います。妊娠期間は約1か月と短く、4月から6月ごろに出産することが一般的です。
一度の出産で3~10匹ほどの子どもを産み、平均すると5匹前後が生まれます。
生まれたばかりのイタチのこどもは目が開いておらず、自力で動くこともできません。そのため、母親は巣の中で授乳しながら大切に育てます。
オスは基本的に子育てには関与せず、単独で生活を続けます。子どもたちは約40日間は母乳を飲んで成長し、その後徐々にエサを食べるようになります。
生後2~3か月もすると、体がほぼ親と同じ大きさに育ち、秋には独り立ちします。
繁殖期には、天井裏や床下で子どもの鳴き声が聞こえることがあります。
特に、夜間に「ピキュピキュ」といった甲高い声が聞こえる場合は、家の中に巣を作っている可能性が高いです。イタチの繁殖力の高さを考えると、早めの対策が必要です。
イタチの巣と住み着く場所
イタチは自然の中に巣を作ることが多く、特に河川の近くや草むら、田畑の周辺を好みます。川の堤防や木の根元、石の隙間などに巣を作り、安全な場所で子育てをします。
しかし、人間の生活圏にも適応し、天井裏や床下、倉庫の中に巣を作ることもあります。
家の中に住み着くイタチは、屋根の隙間や通気口、換気扇の穴などを通って侵入します。特に、古い家や木造の建物は、イタチが入りやすい環境になっています。
家の中は外敵から身を守りやすく、気温も安定しているため、イタチにとってはとても快適な場所です。
天井裏に住み着いた場合、子どもが成長するまで母親は巣を離れません。そのため、巣の周辺には糞尿がたまり、悪臭の原因になることがあります。
また、イタチは断熱材を引っ掻いて巣の材料にすることがあり、家の構造にダメージを与えることもあります。
イタチが害獣とされる理由
イタチは見た目が可愛らしく、自然の中で生活している分には特に問題はありません。しかし、家の中に住み着くとさまざまな被害をもたらすため、害獣として扱われることが多いです。
まず、天井裏や床下に住み着いた場合、子どもたちが成長するまでの間、鳴き声が頻繁に聞こえます。特に夜間や早朝に「ピキュピキュ」といった甲高い鳴き声が響き、眠れなくなることもあります。
さらに、イタチの糞尿は非常に臭く、放置すると家の中に悪臭が充満します。
特に、屋根裏や壁の中に糞尿がたまると、掃除が困難になり、カビや雑菌が発生する原因にもなります。
また、糞尿には寄生虫や病原菌が含まれている可能性があり、健康被害を引き起こすこともあります。
加えて、イタチは屋根裏に住み着くと、断熱材を引きちぎって巣を作るため、家の耐久性に影響を与えます。
電気配線をかじることもあり、場合によってはショートや火災の原因になることもあるため、早めの対策が必要です。
このように、イタチは自然界では問題のない動物ですが、人間の生活圏に入り込むと大きな被害をもたらすことがあります。
特に、繁殖期には家の中で子育てをするケースも多いため、早めの対応が重要です。
イタチのこどもの見分け方
イタチのこどもは、小さくて細長い体をしており、夜行性の親とは違い、昼間でも活動することがあります。
しかし、見た目だけでイタチと判断するのは難しいこともあります。特にハクビシンやアライグマ、テンなどの他の動物と間違えやすいため、特徴をしっかりと把握しておくことが大切です。
ここでは、イタチのこどもと他の害獣の違い、見つけたときに確認するポイントについて詳しく解説します。
他の害獣との違い
イタチのこどもは、体が細長く、全身が茶褐色~黄褐色の毛で覆われています。しかし、見た目だけでは他の害獣と区別しにくいことがあります。
そこで、ハクビシン、アライグマ、テンとの違いを比較してみましょう。
ハクビシンとの違い
ハクビシンは、顔の中央に白い線が入っているのが特徴です。イタチのこどもにはそのような模様はなく、全体的に茶色っぽい毛色をしています。
また、ハクビシンの鳴き声は「ピィー」と高く長い音ですが、イタチのこどもは「ピキュピキュ」と短く鋭い声で鳴きます。
アライグマとの違い
アライグマの特徴は、目の周りに黒い模様があることです。まるでマスクをかぶっているような見た目をしており、イタチとは明らかに異なります。
また、アライグマのこどもは「クルクル」という鳴き声を出し、鳥のさえずりに似ています。一方、イタチのこどもの鳴き声は甲高く、短い音が特徴です。
テンとの違い
テンはイタチよりも体が大きく、特に成長すると体長50cm以上になることがあります。
また、毛色もイタチより明るめで、黄色がかった色をしていることが多いです。鳴き声は比較的低めで、イタチのこどものように甲高い声ではありません。
イタチのこどもを見つけた場合は、これらの動物と比較して、見た目や鳴き声を確認すると、判断しやすくなります。
見つけたときのチェックポイント
イタチのこどもが家の近くにいるかもしれないと感じたとき、以下のポイントをチェックすると、より正確に判断できます。
鳴き声の高さ
イタチのこどもは「ピキュピキュ」「キキキキ」といった甲高い声で鳴きます。
特に母親を呼ぶときや、兄弟同士でじゃれ合っているときにこのような鳴き声を発します。
夜間や早朝にこの声が聞こえる場合、屋根裏や床下にイタチが住み着いている可能性があります。
活動時間
イタチは基本的に夜行性ですが、こどもは昼間でも活動することがあります。
特に授乳期は、母親がエサを探しに行っている間に鳴いたり、兄弟と遊んだりすることがあります。昼間にも頻繁に動いている場合は、イタチのこどもの可能性が高いです。
フンの特徴
イタチが住み着いているかどうかを判断する方法の一つに、フンの特徴をチェックすることがあります。
イタチのフンは細長く、悪臭が強いのが特徴です。特に魚や肉を食べた後のフンは非常に臭うため、家の周囲や天井裏で悪臭がする場合は、イタチがいるかもしれません。
これらのチェックポイントを意識すると、イタチのこどもと他の害獣を見分けやすくなります。
もし、イタチが家の近くや屋根裏に住み着いていると判断できた場合は、早めの対策を行うことが重要です。
イタチのこどもが家にいたときの対策
イタチのこどもが家の屋根裏や床下に住み着いてしまうと、鳴き声や悪臭、家屋へのダメージなどの被害が発生することがあります。
成獣になると行動範囲が広がり、さらに被害が拡大する可能性もあるため、早めの対策が重要です。
ここでは、イタチが侵入しないようにする方法や、自力での駆除のリスク、専門業者に依頼するべき理由について詳しく解説します。
侵入を防ぐ方法
イタチのこどもが家に住み着く原因の多くは、侵入経路が開いていることです。
成獣のイタチは、小さな隙間からでも入り込むことができ、子どもはさらに小さな隙間を通り抜けることが可能です。侵入を防ぐためには、以下の方法を試してみてください。
家の隙間を塞ぐ
イタチが家に入る主な経路は、屋根の隙間や通気口、換気扇の穴などです。まずは家の周りをチェックし、以下のようなポイントを塞ぐようにしましょう。
- 屋根の隙間:古くなった瓦の間や屋根裏の通気口などから侵入することが多いため、ネットや金網でカバーする。
- 通気口や換気扇:通気口の網目が粗い場合は、目の細かい金属製のネットに交換する。
- 床下の隙間:床下に開いている小さな隙間もふさぐことで、侵入を防ぐことができる。
ただし、すでにイタチが屋根裏や床下にいる状態で隙間を塞いでしまうと、閉じ込めてしまい、屋内で死んでしまうことがあります。
そのため、確実にいなくなったことを確認してから施工するようにしましょう。
忌避アイテムを活用
イタチは嗅覚が優れているため、嫌いなにおいを活用して追い出すことができます。ホームセンターなどで手に入る以下のアイテムを試してみましょう。
- 木酢液:木を焼いたときに出る煙の成分が含まれており、イタチが嫌がるにおいを発します。巣の周辺にまいておくと、イタチが住み着くのを防ぐことができます。
- 線香やお香:煙を嫌がるため、巣がある場所の近くでたくと効果があります。
- 市販の忌避スプレー:イタチ専用の忌避剤をスプレーすると、一時的に追い出すことができます。
ただし、これらの方法はあくまで予防策であり、すでに住み着いたイタチを完全に追い出すには効果が限定的です。
自力駆除の注意点
イタチを自力で追い出したいと考える人も多いですが、法律やリスクを十分に理解しておく必要があります。
適切な対処をしなければ、思わぬトラブルにつながることもあるため注意が必要です。
鳥獣保護法により無許可での捕獲は禁止
イタチは「鳥獣保護法」によって守られている動物であり、許可なく捕獲することは法律で禁止されています。
万が一、罠を仕掛けてイタチを捕まえた場合、法律違反となり、罰金などの処罰を受ける可能性があります。
許可を得れば捕獲することもできますが、手続きが必要なうえ、適切な処理が求められるため、一般の人が行うのは現実的ではありません。
燻煙剤の使用はNG
害獣対策として燻煙剤を使う人もいますが、イタチのこどもがいる場合は危険です。
母親が煙を避けるためにこどもを狭い隙間や壁の中に避難させてしまうことがあり、そのまま出られなくなって死んでしまうケースがあります。
そうなると、家の中で腐敗し、悪臭や害虫の発生につながるため、燻煙剤の使用は避けたほうがよいでしょう。
専門業者に依頼するべき理由
イタチの駆除は、自力で行うのが難しいため、専門業者に依頼するのが最も確実な方法です。業者に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
法律に違反せず、確実に駆除できる
専門業者は適切な許可を持っているため、法律に違反することなく駆除を行うことができます。
また、イタチの習性を熟知しているため、安全かつ効果的な方法で追い出し、再侵入を防ぐ施工をしてくれます。
事前見積もりや無料相談を活用する
多くの害獣駆除業者は、事前の調査や見積もりを無料で行ってくれます。駆除費用は業者や地域によって異なるため、複数の業者に相談し、納得できる料金で依頼するとよいでしょう。
また、駆除後に消毒や清掃をしてくれる業者もあります。イタチのフンや尿には病原菌や寄生虫が含まれていることがあるため、しっかりとした処理が必要です。
イタチのこどもが家に住み着くと、放置するほど被害が大きくなります。
侵入経路をふさぐことや忌避アイテムを使うことで対策することも可能ですが、すでに住み着いてしまった場合は、法律やリスクを考慮して慎重に対応する必要があります。
最も確実な方法は、専門業者に相談し、適切な駆除を行うことです。早めの対応で、大切な家を守りましょう。
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まとめ
イタチのこどもを見つけたときは、焦らず冷静に対処することが大切です。
見た目が小さく可愛らしくても、放置すると成長し、家に住み着く可能性があります。特に繁殖力が強いため、数が増えてしまう前に対策を行うことが重要です。
特徴や鳴き声を確認し、早めの予防を
イタチのこどもは「ピキュピキュ」といった甲高い鳴き声を発するため、夜間や早朝に音が聞こえたら注意が必要です。
家の周りや天井裏でフンや足跡を見つけた場合も、イタチが住み着いているサインかもしれません。
家に侵入されないよう、屋根の隙間や通気口をふさぐ、忌避アイテムを活用するなどの対策を行いましょう。
駆除は必ず専門業者に相談を
イタチは鳥獣保護法によって守られており、許可なく捕獲や駆除をすることはできません。
また、自己流の対策では、巣の奥にこどもが閉じ込められてしまうリスクもあります。燻煙剤の使用は避け、確実に駆除するために専門業者へ相談することをおすすめします。
業者によっては無料で現地調査を行ってくれるところもあるため、早めに問い合わせて適切な対策を講じましょう。
イタチのこどもを見つけたら、被害が広がる前に予防・対策を行い、安心して暮らせる環境を守っていきましょう。
最後に.
こんにちは、福岡県の害獣害虫駆除業者で株式会社あい営繕 代表の岩永と申します。 私はしろあり防除施工士・蟻害・腐朽検査士の資格があり、害獣駆除業界でかれこれ40年位います。弊社は公益社団法人日本しろあり対策協会、公益社団法人日本ペストコントロール協会に籍を置き業界の技術力向上やコンプライアンスの徹底にこだわり仕事しています。もし害獣害虫駆除でお困りのことがありしたら、些細なことでも構いません。お電話頂ければ誠心誠意お答えいたします。この記事があなた様のお役に立ちましたら幸いです。
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最後までお読みいただきましてありがとうございました。