ある日、部屋の窓際や玄関に、羽のついた小さな虫を見つけてギョッとしたことはありませんか?
「もしかしてシロアリ…?」と心配になり、すぐにスマホで検索したという方も多いはずです。
羽アリは、シロアリの可能性もあれば、実は黒アリだったということもあります。
見た目がよく似ているため、専門的な知識がなければ判別は難しく、不安が募るばかりですよね。
この記事では、「羽アリ=すぐシロアリではない」という基本から始まり、シロアリと黒アリの見分け方、羽アリの出現するタイミングや場所の特徴、そして実際に見かけたときの対処法までをわかりやすく解説します。
「とりあえず放っておけばいいの?」と迷っている方にも安心して読んでいただける内容になっています。まずは落ち着いて、羽アリの正体を見極めていきましょう。
記事のポイント
●羽アリとシロアリ・黒アリの見分け方がわかる。
●羽アリが出る時期や場所から原因を判断できる。
●羽アリを放置するとどんな被害があるか理解できる。
●自分での応急処置と業者に相談すべきタイミングがわかる。
羽アリ=シロアリとは限らない!黒アリとの違いを見分けよう
羽アリを見つけた瞬間、「これってシロアリ?」と不安になるのはよくあることです。
しかし実は、羽アリ=すべてシロアリというわけではありません。黒アリの一部も、繁殖期には羽をつけて飛ぶため、見た目だけでは区別がつきにくいのです。
ここでは、シロアリと黒アリの見分け方をわかりやすく紹介します。
羽の形や数、胴体の形で見分ける
シロアリと黒アリは、羽と胴体の形に決定的な違いがあります。以下のポイントに注目してください。
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シロアリ
・羽は4枚すべて同じ大きさ
・胴体にくびれがなく、寸胴型
・色は薄茶~黒っぽいものもある -
黒アリ(クロアリ)
・羽は前2枚が大きく、後ろ2枚が小さい
・胴体にはっきりとしたくびれ
・色は黒が中心だが、種類により変化あり
見慣れない虫に驚いてしまうと、冷静な判断がしづらくなります。そんな時は、スマホで写真を撮って、あとで特徴を確認するのもおすすめです。
イメージで言えば、シロアリは寸胴でガッチリ体型、黒アリはくびれがあってスリム体型と覚えておくと判断しやすくなります。
「黒いから黒アリ」とは限らない落とし穴
多くの人が、「黒っぽいから黒アリだろう」と判断しがちですが、色だけでは判別できません。
実際に、羽アリになったシロアリの中には黒っぽく見える個体も存在します。
特に光の加減や室内の暗さで、色の印象は変わってしまいます。そのため、「黒っぽかった=黒アリ」と決めつけず、羽の形や胴体の構造で見極めることが大切です。
羽アリの正体を見誤ると、対処が遅れて建物へのダメージが進行する恐れもあります。
判断に迷ったら、「羽の形」「胴体のくびれ」「行動時間帯」などを総合的に確認しましょう。写真に収めて、専門業者に相談するのも安全な方法です。
羽アリが現れる時期・場所から原因を探る
羽アリを見かけると驚きますが、実は出現した「時期」や「場所」から発生原因や種類をある程度推測することができます。
とくに家の中で羽アリを見かけた場合は要注意。巣がすでにできているかもしれません。
ここでは、羽アリの出る時期と場所から、シロアリか黒アリかを見分けるヒントを紹介します。
出現時期:梅雨〜夏前、雨上がりに要注意
羽アリは、どの時期にも見られるわけではありません。実は発生の時期に大きな違いがあるのです。
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シロアリの羽アリ(ヤマトシロアリの場合) ・出現時期:4月〜6月頃
・とくに雨上がりの夕方〜夜間に多く見られる
・電灯や室内の光に集まりやすい -
黒アリ(クロアリ)の羽アリ ・出現時期:6月〜8月
・日中や明るい時間帯にも飛ぶ
・屋外の花壇や庭先などに巣を作っていることが多い
このように、発生時期や飛ぶ時間帯で大まかな種類を推測できます。特に梅雨の時期や雨上がりは、羽アリが一斉に飛び立つタイミングなので、見かける機会も増えます。
家の中で見かけたら“巣がある”可能性も?
屋外で見かけるだけなら、そこまで心配しなくてもよい場合もありますが、家の中で羽アリを見かけたら話は別です。
特に注意すべきポイントは以下のとおりです。
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羽アリが部屋の中、特に床や窓まわりに落ちている
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数匹〜数十匹が毎日のように出てくる
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木部に触ると空洞音がする、床がふわふわする
これらのサインがある場合、すでに家の床下や壁の中に巣ができている可能性があります。
シロアリは湿気が多く、暗くて静かな場所を好み、建材の中に潜んでいるため、気づかれにくいのが特徴です。
たとえ1匹だけでも油断は禁物です。
羽アリは巣の外に出て新しいコロニーを作るための「結婚飛行」をする個体です。1匹飛んできた=仲間がまだ多数潜んでいる可能性があるのです。
羽アリが出たタイミングと場所をしっかり観察することで、早期の発見・対処につながります。
異常を感じたら、そのまま放置せず、写真を撮って記録しておくのもおすすめです。今後の対策や業者相談の際にも役立ちますよ。
羽アリの放置は危険?放っておくとどうなる
羽アリを見かけても、「1匹だけだし、すぐいなくなったから大丈夫」と油断して放置してしまうケースは少なくありません。
しかし、羽アリをそのままにしておくと、思わぬ被害が広がる可能性があります。ここでは、シロアリだった場合と黒アリだった場合、それぞれのリスクについて解説します。
シロアリだった場合の家屋被害は深刻
もし、羽アリの正体がシロアリだった場合、最も大きなリスクは“家の構造へのダメージ”です。
シロアリは木材を主なエサにしており、家の土台となる柱や床下の構造材を内部から食い進めていきます。
被害の例としては、
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床がきしむ、沈むようになる
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壁を叩くと空洞音がする
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畳やフローリングが浮く・めくれる
といった症状が出てきます。
さらに恐ろしいのは、被害に気づきにくいことです。
シロアリは目に見えない場所(床下・壁の中など)で活動するため、見つけたときには修繕費が数十万円~百万円単位になることも。
家の資産価値にも大きく関わるため、放置は非常に危険です。
黒アリでも安心はできない理由
「羽アリが黒いから黒アリで安心」と思ってしまいがちですが、黒アリであっても油断は禁物です。
黒アリは木材を食べることはありませんが、次のような問題を引き起こします。
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室内での大量発生による衛生面の悪化
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キッチンや食品棚への侵入
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すき間に巣を作って繁殖するスピードが早い
特に、黒アリのコロニーは1つの巣から数千匹〜数万匹にまで増えることもあり、気がついた頃にはキッチン全体がアリだらけ…というケースも少なくありません。
また、羽アリは「女王アリと雄アリが新しい巣を作るために飛ぶ行動(結婚飛行)」をするため、1匹でも見かけたら、近くに巣があるか、これから巣が作られる可能性が高いと考えるべきです。
羽アリを見かけたときは、「どちらのアリか?」にかかわらず、まずは発生場所・数・頻度をしっかり観察し、早めの対策をとることが大切です。
判断に迷う場合は、写真に残して専門家に見てもらうと安心ですよ。
自分でできる応急対策とプロに相談すべきタイミング
羽アリを家の中で見かけた瞬間、「これって危険なの?」「どう対処すればいいの?」と戸惑う方は多いです。
まずは慌てずに、できる範囲の応急処置を行い、その上で専門業者に相談すべきかどうか判断しましょう。
家の中の羽アリを見かけたら今すぐやるべきこと
羽アリを数匹見つけたときに、まず試したいのが手軽にできる応急処置です。以下の方法で対応してみましょう。
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扇風機で飛ばす: 羽アリは風に弱く、長く飛び続けることができません。空気の流れで移動を妨げるだけでも一時的な効果があります。
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掃除機で吸い取る: 目に見える範囲に多数いる場合は、掃除機で吸い取りましょう。吸引後はビニール袋などで密閉して処分してください。
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市販の忌避スプレーを使う: 羽アリ用やアリ全般に効果のあるスプレーも市販されています。換気に注意して使用しましょう。
また、羽アリを見かけた「場所」は非常に重要な手がかりになります。
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どこから入ってきたか?(窓、壁、換気口など)
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どの時間帯に発生したか?(夜か昼か)
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どのくらいの数か?(1匹だけ or 大量発生か)
このような情報を写真に残しておくことで、後から専門家に相談する際に非常に役立ちます。
シロアリの可能性があるときは専門業者へ相談
羽アリの種類によって対処法は異なりますが、シロアリの可能性が少しでもあるなら、早めのプロ相談が安心です。
多くのシロアリ駆除業者では、
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無料の現地調査
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写真や現物を見ての簡易診断
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床下点検などの状況確認
などを行っています。調査後には、実際の被害状況や今後の対応方針、費用の見積もりなどを説明してくれるため、素人では判断しにくい部分までしっかり対応してもらえます。
業者に相談することで得られる主なメリットは次のとおりです。
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シロアリかどうかを正確に判別できる
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被害の広がりや巣の場所を専門的に確認できる
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駆除だけでなく「再発防止」の対策まで任せられる
費用相場としては、調査は無料〜数千円程度、駆除施工は10万円前後〜(建物の規模による)が目安です。
施工後の保証期間(1年〜5年)がある業者も多く、再侵入の心配も少なくなります。
羽アリを見かけたら、まずは冷静に応急処置を行い、情報を記録しておくことが大切です。
そして、少しでも不安があるなら早めに専門業者へ相談することが、住まいを守る第一歩となります。
シロアリは静かに、でも確実に家をむしばんでいくため、行動は早ければ早いほど安心です。
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まとめ|羽アリを見かけたら「見分け+対処」が最優先
羽がついたアリを見かけると「もしかしてシロアリ!?」と不安になりますが、すぐに決めつける必要はありません。
まずは、羽の形や体の特徴、出現した時間帯や場所などを観察し、冷静に判断することが大切です。
見た目ではシロアリと黒アリを見分けにくい場合もあるため、「黒いから安心」と思わず、形状や行動パターンに注目しましょう。
そして、少しでも不安があれば放置せず、早めの対策・専門家への相談をおすすめします。
シロアリであれば家の基礎部分への被害が進行している可能性があり、対処が遅れるほど修繕費がかさむリスクもあります。
羽アリは小さな存在ですが、家を守るための重要なサインです。「見分けて、記録して、行動する」ことが、安心への第一歩になります。
最後に.
こんにちは、福岡県の害獣害虫駆除業者で株式会社あい営繕 代表の岩永と申します。 私はしろあり防除施工士・蟻害・腐朽検査士の資格があり、害獣駆除業界でかれこれ40年位います。弊社は公益社団法人日本しろあり対策協会、公益社団法人日本ペストコントロール協会に籍を置き業界の技術力向上やコンプライアンスの徹底にこだわり仕事しています。もし害獣害虫駆除でお困りのことがありしたら、些細なことでも構いません。お電話頂ければ誠心誠意お答えいたします。この記事があなた様のお役に立ちましたら幸いです。
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