夜中に突然、床を這うムカデを見つけて驚いたことはありませんか?
あるいは、お風呂やトイレなどの水まわりで見かけてゾッとしたという方も多いはずです。
ムカデは見た目の不快感だけでなく、噛まれると強い痛みを伴うため、家の中で遭遇するのは誰しも避けたいものです。
でも、「一体どこから入ってきたの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
玄関を締め切っていても、ムカデは意外なほど小さなすき間から侵入してきます。実は、ムカデが家の中に入ってくるのには明確な理由とルートが存在しているのです。
この記事では、ムカデが家の中に侵入してくる代表的な経路をわかりやすく解説し、その対策についても具体的にご紹介します。
「どこから来たかわからないから対処のしようがない…」という方も、読み進めていただければ、すぐにでもできる予防と駆除のポイントが見えてきます。
家の中でムカデに悩まされないためにも、まずは侵入口の特定と、正しい対策を知ることが大切です。
この記事では、そのための第一歩をわかりやすくお伝えしていきます。
記事のポイント
●ムカデがどこから家に侵入してくるかがわかる。
●ムカデ駆除や予防に使える効果的なアイテムがわかる。
●ムカデ対策でやってはいけないNG行動が理解できる。
●自力で対処できない場合の業者への相談方法がわかる。
ムカデはどこから侵入するのか?
ムカデは家の中に突然現れるように感じられますが、実際にはしっかりとした“入り口”から侵入しています。
彼らは体が平たく、ほんのわずかなすき間があれば入り込むことができます。ここでは、特に注意すべき代表的な侵入口を3つ紹介し、それぞれの特徴や対策について解説します。
代表的な侵入口①:玄関・窓のすき間
ムカデがもっともよく通るのが、玄関の下部や窓の隙間です。
玄関ドアの下にあるゴムパッキンが劣化していたり、網戸がずれていたりすると、そこがムカデにとって絶好の侵入口になります。
また、窓の開閉部分も要注意です。特に古いサッシは完全に密閉されていない場合が多く、ムカデはわずかな隙間でも入り込めます。
対策としては:
・玄関のすき間には「すき間テープ」を貼る
・窓の網戸はしっかり閉まっているか定期的に確認
・網戸の目が粗い場合は細かいものに張り替える
「いつの間にか家の中にいる」と感じる原因の多くは、こうした日常の油断によるものです。
代表的な侵入口②:通気口・エアコンの配管まわり
通気口やエアコンの配管まわりは、家の外と中をつなぐ数少ないルートのひとつです。
この部分は壁に穴を開けて施工されることが多いため、どうしてもゴムパッキンやパテの劣化により隙間が生まれやすいのです。
ムカデはそうした隙間を通じて、壁の中から屋内へ侵入してきます。
具体的な対策は以下の通りです:
・配管のまわりに隙間があれば「防虫パテ」や「シリコンコーキング」で埋める
・通気口には「虫除けフィルター」や「パンチングメタル」を取り付ける
特に夜間、涼しさを求めて動き出すムカデにとって、こうした通気スペースは格好の抜け道になります。
代表的な侵入口③:床下・浴室の排水口まわり
ムカデは湿気を好む習性があるため、浴室や洗面所、キッチンまわりなどの排水口周辺は格好の棲み家になります。
床下にある排水配管が劣化していたり、通気性が悪く湿気がこもっている場合も危険です。
また、古い住宅では浴室の床や壁にひび割れがあると、そこからムカデが侵入することもあります。
対策ポイントは以下です:
・排水まわりにはこまめに水を流し、乾燥させすぎないようにする
・浴室の排水口には「ヘアキャッチャー」や「防虫キャップ」を取り付ける
・床下の点検口がある場合は定期的に状態を確認する
こうした水まわりの対策は、ムカデだけでなく、他の害虫対策にもつながります。
ムカデを家に入れないためには、「どこから入るのか」を正しく知ることが第一歩です。
次の章では、それらの侵入経路に対してどのように対策を取ればよいのか、具体的な駆除法と予防法を紹介していきます。
今すぐできるムカデの駆除・予防策
ムカデの侵入を防ぐには、「家の中に入れない」「近寄らせない」「見つけたらすぐ対処」の3つの視点が重要です。
ここでは、今すぐご家庭でできる予防法と、出現時の駆除法を具体的に紹介します。
ムカデを寄せつけないニオイ対策
ムカデには、特定のニオイを嫌う性質があります。これを利用すれば、家に近づかせない“予防線”を張ることができます。
おすすめのニオイ対策アイテム:
・木酢液(もくさくえき):独特の煙たい香りがムカデを遠ざける。薄めて玄関・窓の外にスプレー。
・ハッカ油:スーッとした刺激のある香りが苦手。水で薄めてスプレーするのが効果的。
・ムカデ専用忌避剤(市販品):「ムカデシャット」「ムカデコロリ」など、持続性が高く安全なタイプも多い。
注意点:
ニオイは時間とともに薄れるため、こまめな再噴霧や、雨の後の再施工が効果を保つポイントです。
ムカデの駆除に使える市販アイテム
万が一ムカデが家の中に侵入してしまった場合でも、手軽に使える市販の駆除アイテムが多数あります。
代表的なアイテムと特徴:
商品名 | タイプ | 特徴・価格帯(参考) |
---|---|---|
ムカデコロリ | 置き型 | 誘引式・巣ごと退治、約1,000円前後 |
虫コロリアース | スプレー | 即効性あり・持続効果も◎、800円程度 |
殺虫粉剤(アリ用兼用) | 粉タイプ | 屋外の侵入口に撒く、風に注意 |
使用時のコツ:
・スプレーはムカデを見つけた瞬間に使用
・粉剤や置き型は、侵入経路付近に事前に配置しておくことでより効果的です
ムカデが出た時に慌てないよう、常備しておくことをおすすめします。
侵入経路をふさぐ封鎖のコツ
ムカデ対策の本質は、「入らせない」こと。侵入口を封鎖することが再発防止のカギです。
使用する主な素材と方法:
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防虫パテ:エアコン配管のすき間や穴を密閉。柔らかくて扱いやすい。
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すき間テープ:玄関ドアや窓の隙間に貼るだけ。音も防げて一石二鳥。
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パンチングメタル・金網:通気口や排水口に被せて物理的にブロック。
封鎖のステップ:
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日中、家の外まわりをぐるりと一周してすき間を探す
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見つけたらすぐに塞がず、まずはムカデが中にいないことを確認
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確認後に、防虫パテや金網などでしっかり密閉
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仕上げに、侵入口まわりへ忌避スプレーを吹きかけておく
これだけでも、ムカデの侵入確率を大幅に下げることができます。
ムカデ対策は、「侵入経路の遮断」と「忌避+即応」の両方がそろって初めて効果を発揮します。
次の章では、やってしまいがちなNG対策についても触れていきますので、さらに安心な住環境を整えるための参考にしてください。
ムカデ対策でよくあるNG行動
ムカデを発見したとき、つい慌てて対応してしまいがちですが、やり方を間違えると逆効果になることもあります。
ここでは、特にやってしまいがちなNG行動と、その改善ポイントを紹介します。
殺虫剤のまき方が間違っている
ムカデを見つけた瞬間、手に取った殺虫スプレーをそのまま噴射していませんか?
もちろん即効性のあるスプレーは「今そこにいるムカデ」には有効ですが、それだけでは不十分です。
多くの人がしてしまうのが、ムカデを見かけた場所だけに薬剤をまくという「その場しのぎ」の使い方です。
実際には、ムカデは決まったルートを通って家に入ってくることが多いため、侵入経路にあらかじめ予防的に薬剤をまいておくことが重要なのです。
正しい使い方のポイント:
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ムカデが入りそうな場所(玄関まわり、通気口、排水口など)に事前に噴射
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粉剤や粒剤タイプの殺虫剤を、雨風が当たらない場所に設置
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スプレーは「駆除用」と「予防用」を使い分ける
つまり、「出てから」ではなく「出る前に」が効果を高めるコツです。
湿気を放置している
ムカデは乾燥を嫌い、湿気の多い場所に集まる習性があります。
そのため、家の中でも湿度が高くなる場所、たとえば浴室、洗面所、キッチン、床下などは特に注意が必要です。
意外と見落としがちなのが、外まわりの湿気です。
植木鉢の下、水がたまりやすい溝、エアコンの排水口周辺などに湿気がこもっていると、ムカデの隠れ家になってしまいます。
簡単にできる湿気対策:
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使わない植木鉢やバケツなどは屋外から片づける
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排水口や側溝にたまったゴミを定期的に掃除する
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浴室・洗面所は使用後に換気扇を30分以上回す
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床下換気口がふさがれていないか確認する
湿気を減らすことでムカデの住みにくい環境を作ることができ、自然と発生頻度も下がります。